日本が新型インフルは抑えた一方で、コロナには苦戦する「これだけの理由」

田原総一朗×舛添要一(中編)
コロナ時代、大転換を迎える日本・東京はどう動くべきなのか? ジャーナリスト田原総一朗氏と元厚生労働大臣・元東京都知事の舛添要一氏が大激論!(構成:本郷明美/写真:林直幸)

前編はこちら:日本のコロナ対策は最初から間違っていた…「最大の問題」はこれだ!

大臣が官僚にだまされている…?

田原 舛添さんが厚生労働大臣のときも、新型インフルエンザなど感染症問題がありましたが、しっかり対策ができていました。しかし今回、新型コロナウイルスには対応できていない。舛添さんのときと今回と何が違うんでしょうか。

舛添 まず、政治家である厚労大臣が官僚をコントロールできていない。

田原 加藤(勝信)大臣じゃダメなの?

舛添 完全にダメです。

田原 舛添さんとどこが違うんだろう?

田原総一朗氏
 

舛添 大事なのは官僚にだまされないことです。1つ例を挙げます。ワクチンは1人に対して1バイアルという単位で投与します。必要な分だけ買えばいいのですが、製薬会社は10バイアルまとめて買えと言ってきます。1人分を打って、ほかに患者がいなければ、残りは捨てなければいけない。こんなバカなことはありません。

利権がいろいろあるからか、厚労省の医系技官、薬系技官は製薬会社の側に立ってだまそうとします。私はだまされませんでしたが、民主党政権になったあと、長妻昭大臣はだまされた。

私は、東大医学部で10年間教えてきました。厚労大臣の頃、教え子の多くは30〜40代で、第一線の研究者がたくさんいたのです。ですから、だまされないように、毎日電話でいろいろ情報をもらいました。

今回の新型コロナウイルス問題でも積極的に発言している、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広君も、教え子の一人です。

田原 上さんには何度かお会いしました。彼はラジカルで非常にいいですね。

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