「出世して取締役」の勘違い おかしな日本の企業統治
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無能レベルまで昇進するというピーターの法則を考えると、昇進レースのゴールは取締役ではなく執行役員なんだと思う。ベンチャーだとステークホルダーも少ないので、執行役と株主が一緒になりそうだが。
注目のコメント
松本晃ブシ炸裂ですね。極めて明快、ごもっともです。で、松本晃さんのすごいところは、こうやってブチ上げている「べき論」を本当にやってしまっているところ。ワタシが松本さんとJ&Jで被ったのは数ヶ月でしたが、確かにこのガバナンス辺りやコンプライアンスには本当に厳しく、徹底されてました。ブレが無い。そして、それは松本さんが去られた後も継がれていました。人心集めるわけですよね。
日本では大半の人が執行役よりも取締役の方が偉いと思っている節があるが、そもそも役割が違うので比較できるものでもない。ビジネスを動かす権限があるのが執行役、株主を代表して物申すのが取締役。
やはり間違えている。
取締役は、株主総会によって選任されるが、株主の代表や代理人ではない。
端的には、会社法は、会社と取締役とは委任の関係にあると定める。取締役と株主との関係については何も言っていない。
株主には、取締役の行為差止請求権や株主代表訴訟権が与えられているが、これは、会社の利益のために、会社に代わって行使される権利と考えられている。株主の利益を取締役が擁護する関係ではない。
そこで、取締役の権限と責任が議論される。フィデュシャリー(信認)とか信託とかがそれだ。しかし、決定的ではない。一方で株主の権利と権限を謳い(株主民主主義)、他方で取締役会の経営判断原則を尊重する、鵺的議論が多い。
だから、会社ごとに、取締役(会)と株主との関係を規定することが大事になる。
本質的には、金を出しただけの株主に何の権利が与えられるべきかという疑問。
その昔、海上貿易での出資者の大半は金を出し、危険を負担し、利益の分配を受けるコンメンダ的出資者だった。出資者は、航海や貿易について発言することはなかった。嫌ならその航海には出資しないからだ。