兵庫の県立高校 新入生はタブレット端末を自費購入へ 県教委「文房具と同じ」
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私立高校で勤務していた者です。
この記事は公立校に言及してますが、私立でも問題アリの現象です。
この件は3つの問題があります。
問題① 学校には多額の補助金
生徒保護者のタブレット代は何の補助もありません。
一方、学校のICT備品には、多額の補助金が使われています。
公立はもちろん、私立の小中高にも税金が投入されてます。
補助額は備品代の半額で、1校あたり最大750万円です。
東京都の私立高校だけでも、237校あります。
ざっと2億近く使われてる計算ですね。
用途は電子黒板や教職員用のタブレットです。
(使いこなしてる教員はごく一部ですが)
学校にはこれだけ税金を投入しておいて、肝心の生徒のタブレットは自己負担。
これではあまりに不公平ではないでしょうか?
問題② ぶっちゃけスマホで充分
スマホで事足りるのに、タブレットを購入させます。
私が勤務した学校でも、全生徒にipadを購入させていました。
しかし、大した用途では使っていません。
せいぜい
・電子黒板の内容を生徒用ipadに映す
・授業レジュメのデータを生徒用ipadで見られるようにする
くらいです。
勤務していたからこそ言えますが、ぶっちゃけスマホで充分です。
それでも学校がタブレットを導入する理由は「話題性」です。
「生徒全員が1台タブレットを持ってます。授業で使います」
と宣伝すれば、先進的な学校と見られます。
タブレット導入の目的は、学力向上よりも生徒募集です。
問題③ 生徒保護者は選択の余地なし
どの機種を使うとか、どのアプリを使うとか、生徒に選択権はほぼありません。
学校にもよりますが、大抵は学校側が一括して購入して、アプリを入れます。
なので、生徒が学習のために使いたいアプリがあっても、使えない。
当然、そのことを知るのは入学後がほとんどです。
今更学校を変えるわけにもいかず、渋々従う。
先の補助金の件もあり、今はタブレットを購入させる学校が増えました。
生徒保護者にとって、高額なタブレットは当たり前のコストとされつつあるのです。
学校側からすれば、ICT化はローコストで莫大な宣伝効果が得られます。
しかし、その割を食うのは生徒・保護者です。まずはそのことに気づかなければ、問題は解決しないでしょうね。
法制度を変えない限り、搾取の構造は続きます。BYOD(Bring Your Own Device)への批判もありますが、国からの予算措置がないとほとんどの都道府県ではBYODを選択せざるをえません。なので、兵庫県の動きはこれからの流れを先取っていると言えます。
ただし、必須利用の備品であり、デバイス格差が学習格差に直結する可能性もあるため、経済的に厳しい家庭には給付型の奨学金あるいはデバイスの無償提供ををしてほしいです。
また、デバイスだけあってもできることは限られているので、必要に応じてソフトウェアを購入することもセットで考えていく必要があります。教室というハードがあるだけではダメで、教科書や副教材を買うのと同じです。みんなに無償で配布して欲しいと思うものの、公立とはいえ教科書や体操服なんかも自費で購入するしね。児童手当は15歳まで。教育支援の理想像を国として出せないものだろうか。