【ゴジェックCEO】たった4年で「国民的アプリ」を作る方法
コメント
選択しているユーザー
ドライバーをより稼げるようにしたい、信用がない人に便利な生活を届けたいという志には、強く共感します。
コールセンターから配車サービスに発展して、そこからインドネシア最大のモバイルペイメントに成長。インドネシアは銀行口座を持たない人が人口の約半分を占めることもあり、ペイメントアカウント数で言えばインドネシア国内大手銀行を上回る規模に達しているといいます。
圧倒的なドライバー数とウォレット利用者を広げているゴジェックがこれから数年間でどんな変貌を遂げるのか、日本の将来を映す鏡としても大変興味深くみていきたいです。
注目のコメント
取材中ずっと真剣な面持ちだったマカリムCEOですが、グラブのアンソニー・タンCEOの質問をするとニヤリと笑ってくれました。
2人はハーバードビジネススクール時代の同期です。笑顔は「その質問には答えたくない」ということなのか「友人の話をするのが楽しい」のか意味を汲み取れませんでしたが、きっと独特な感情を抱いているのでしょう。
同期2人が東南アジアという巨大市場でバチバチと競争し合う。なんともドラマチックな展開で、もっと2つの企業を取材してみたくなりました。GOJEKの成長ストーリーに欠かせないのが、2015年の運輸省のサービス禁止命令とジョコヴィ氏指示による即時撤回でしょう。
https://www.samsul.com/travel/post-966.php
既存サービス(Ojek)保護のために運輸省が突如GOJEKに配車サービスの禁止命令
→これを知った時の首相・ジョコヴィ氏がTwitterで「規制が原因で国民を困らせてはならぬ」とツイート
→これを受け、運輸省が禁止命令を撤回
というドラマのような展開だったそうです。
この事件を通じて、GOJEKの知名度は上がり、利用者は増え、ジョコヴィ氏の支持率も上がったとかなんとか。(定量データなく、伝聞ですが)
その他所感:
・ライドサービスは配車時の需給に応じて料金が変動するようになっているので、既存タクシー等の競合よりも価格調整は容易に行えると思料。賃金上昇率が高い東南アジアにも適した手法といえましょう。これはGrabも同様。
・いっぽうGOJEKもGrabも競合であるタクシー会社の取り込みにも熱心。GOJEKはプラットフォーム内に「Go-bluebird」というブルーバードタクシー(インドネシアでほぼ唯一信頼できるタクシー会社)配車のサービスも展開しています。
Gopay払いできるのが大きな魅力でこれを気にブルーバードも客層を広げられてWin-winのようにも感じますが、一方で、アプリの作りはブルーバードの自社アプリにやや劣る(よくクラッシュする)ので、IT面のサービス向上も期待。インドネシアの生活をデジタルの力で大きく変える巨大ユニコーンのCEOマカリムさんのお話は、希望に溢れていて東南アジアの「勢い」を体感させられるようなインタビューでした。
東南アジアの経済構造として、低所得者〜高所得者まで本当に幅広いということは、私自身が東南アジアに住んでいた頃より感じていました。高所得者の家庭は想像するよりも「高所得」であり、大学の時点でアメリカなどの欧米諸国に留学する人は少なくないです。海外のマスターを持っている人も沢山います。そして、欧米諸国から帰国してきた彼らの中で「起業」という手段を選ぶ人にも出会ってきました。少なくとも、私が見てきた東南アジアの中ではそのサイクルがありました。
この特殊な経済構造だからこそ生まれる仕組みについても、今後も注目していきたいです。
そして、GOJEKのCEOが語る「東南アジア市場だからこその戦略」についても学ばされました。ぜひご一読ください。