予算委進まず…甘利氏辞任の余波、国会に広がる
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甘利問題は、あの潔く辞任表明した会見でほぼ勝負がついていると思う。これ以上、国会の場で甘利問題を追及しても逆効果になってしまうのではないか。小渕元大臣も仕留められなかった国会が、甘利前大臣にとどめを刺すのは難しいだろう。これが国会の限界なのだと思う。
ここから先は、斡旋利得があったかどうか等、秘書の件も含め司直の手に委ねるべきものだ。もちろん、国民の疑問に答えるべきとの議論は残るだろう。しかし、党を挙げて、しかも予算審議を人質に取ってまで取り組むべき問題なのかどうか、真剣に考え直すべきだろう。
予算委員会で議論すべき問題はいくらでもある。甘利大臣が担当していたTPPから始まって、政府の異常な金融緩和、消費税の引き上げ、それに伴う軽減税率の是非等々、枚挙に暇がない。
私は、甘利大臣辞任がもたらす問題の核心は、甘利大臣の罪状というより、甘利大臣が第二次安倍政権の中で果たしてきた役割が突然取り除かれてしまったことにあると思っている。
つまり、これまで安倍政権の安定性を担保してきたのは、閣内における鉄の結束。屢々「トリプルA」と呼ばれてきた安倍・麻生・甘利の三枚看板だ。そこに菅官房長官の調整力が加わり盤石の体制を誇ってきたものだ。アベノミクスの進め方をめぐり、消費税や金融緩和、財政政策など閣内でも意見が相克するような場面はこれまで屢々あった。しかし、その局面のたびに、総理の信頼厚い盟友・甘利大臣が果たしてきた役割はきわめて大きかった。
ここ数日、甘利大臣の力量をめぐって本欄でも激論が交わされたが、私の見るところ、安倍政権における甘利大臣の価値は、政策力でも交渉力でもなく、総理の信頼を背景にした政権内のバランサー的な役割だったと思っている。
したがって、甘利大臣後継に石原伸晃氏が起用されることが決まった直後の大臣会見で、麻生副総理が石原氏の手腕に疑問を呈した時には、思わずのけぞってしまった。
その意味で、今回の甘利大臣辞任が安倍政権の「終わりの始まり」だとすれば、それは甘利前大臣の罪状の故にではなく、甘利大臣が閣外に去ることによる政権内の不協和音の顕在化にあるのではないかと推察する。
であるからこそ、野党は、すでに池に落ちてしまった犬を叩くのではなく、真正面から堂々と安倍政権に政策論争を挑み、建設提案を突きつけ、閣内不一致を突くことに全力を傾けるべきなのだ。野党は審議拒否とか生産性の低い事をもうやめましょう。逆に与党としては、こんな重要な局面で財務大臣が辞めざるを得なかったから、国益が害されてますよ、と世論を誘導することすら容易になり、逆効果です。
むしろ、明らかに怪しい案件なので国会外で事実を究明しては?。秘書が数百万円流用??記載時期が間違っていた??と、衝撃的な内容なのですから、もっとメディアを使うとか、諜報戦で戦ったほうが戦果は挙がるのではとも思うのです。