大手行、ベンチャー育成支援に本腰 将来性見極め取引拡大狙う
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大手行がベンチャーとの取引を拡大するというのは大変前向きな話ですが、「育成」しようとお考えになるのはちょっと違うかなと。伝統的に金融機関の中でベンチャー投資などはともすれば「格下」に見られるきらいがあるように思いますし、大企業を相手にしているのだから、小さい企業の指導をすることなど簡単なことだと思われているのかもしれませんが、0から事業を立ち上げるのと、仕上がった事業を回すのとでは、求められるスキルセットもマインドセットも全く異なります。
ベンチャーに特化した支援プログラムも大変結構ですが、まずは融資をはじめとした本業でお付き合いいただくのが良いかと。口座を開くのすら事業計画を求めるような状況をどうにかしていただきたいと思います。オンライン口座の管理手数料をなくしていただくだけで十分です。
https://newspicks.com/news/1753712/こういうベンチャー育成を掲げる大企業の方とお話していて、ベンチャー企業側として少し気になっているのは、大企業にいるから優秀で、だからベンチャー経営みたいな規模の小さい事業をサポートしてあげられるよ、というスタンスが少なからず見え隠れしていること。また本記事の書きぶりから察するに、社会全体としても、多少なりともそう思っている傾向があるということ。
優劣云々の話では全くありません。大企業で規模感のある事業を運営するノウハウと、事業をゼロから立ち上げて収益化させるノウハウでは全く違うということ。また、「担当」するノウハウと「リーダー」であるノウハウも全く違うということ。これは双方が理解しておくことが必要かと。
本件において、銀行の信用力を活かした取引拡大などは大変力強いと思うのですが、一方で、経営者の卵を有期雇用して起業のいろはを教えても、そもそも起業している人がいないはずなのでちょっと難易度が高そうだなと思ったりしています。単純に銀行が、担保、保証協会至上主義やスコアリングによる融資ではなく、きちんと事業や将来性を見極めて融資をする様に改めたら、いいだけのことではないでしょうか。
本当に必要な資金需要の部分は従来通りで、枝葉末節の部分は育成と声を大きくしても、本当の企業の育成には繋がらないと思います。
ベンチャー支援は大いに結構なことですが、バンカーとはコンサルタントでもセミナー屋さんでもなく、金融を通じで企業や産業を育成せるものであるという本分を忘れないでほしいと思います。