特集ワイド:「家庭教育支援法」成立目指す自民 「伝統的家族」なる幻想 家族の絆弱まり、家庭の教育力低下--!?
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良記事。「日本で3世代同居が増えるのは幕末以降」、「大正期ですら3割」など、昨今の家族を巡る虚言の数々を検証し、否定。「首相や日本会議の唱える家族像は『日本の伝統を誤解している』」(落合恵美子京大教授)
注目のコメント
この記事に書かれている歴史認識は正しいです。
高度成長期の日本こそが日本の原型だと勘違いしている人があまりにも多い。政治家は意図的かもしれないが…。
家族が家族だけを唯一の拠り所として分断される社会こそ最悪の社会になります。「絆」という言葉も嫌いです。人と人とがつながり、社会がゆるくつながる方がいいんです。
京大落合教授の以下の言葉は、家族の人たちこそ肝に銘じてほしい。
>世界では『家族主義は家族を壊す』が定説です。家族の相互依存を必然とする制度を作ると、家族が互いの負担になり、家族は壊れる。柔軟性こそが日本家族の伝統なんです。今の日本で支配層の多数派を占める方々は、高度経済成長期(とバブル経済)の成功体験が強烈すぎて、その呪縛から逃れられていないと感じることが多々あります。この家族主義の考え方も、その典型の一つですね。
高度経済成長期の家族のあり方が可能だったのは、まさに「日本が高度経済成長期だったから」、そして「あの時代の社会だったから」。インターネットがなく、あらゆる社会現象のスピードが今より遅く、震災や原発事故などの社会不安が可視化されておらず…と例を挙げていけばキリがありませんが、とにかく何もかもが、今の日本と異なっていた社会です。それなのに家族のあり方だけ「あの頃」に戻そう、というのは、どう考えても辻褄が合わない。過ぎてしまった時代のノスタルジーで現在進行形の問題を解決しようという、現状認識を全く怠った御花畑的発想に思えてなりません。
過去に学ぶのは大切なことですが、その過去と現在の違いをまずしっかり把握して、どこまで過去の有効性が期待できるのか。国の大事を論じるならば、安易な成功体験にすがるより、対象となるお題(ここでは教育)とそれをめぐる社会全体の現状認識から始めて欲しい。そして過去の蜃気楼ではなく、目の前の現実に対する有効性の分析を、じっくり行っていただきたいと切に願います。