ソフトバンクの営業利益が過去最高を更新-投資事業3割に
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決算数値には毎回金額の大きい案件が入れ替わり立ち替わり出てくるのでその辺りはよく整理して見るべきでしょう。営業利益は今回対前年同期比+2357億円増えましたが、ARM中国の持分売却益、Flipkartの売却益、WeWorkの評価アップが効いています。ちなみに営業CFは2744億円で同+785億円増加でした。
事業別に見るとビジョンファンドを除けば煮詰まり感も否めず、ARMも件の中国持分法子会社化に関連して新規契約が後ろ倒しになった影響か収益的には足踏みでした。その意味で国内通信の上場、スプリントのTMUSとの統合など、外部刺激によって喝を入れ直す良いタイミングであることが伺えます。
孫さんのプレゼンでは「AI」が連発され、ビジョンファンドの投資先がこれをいかに迅速なビジネス拡大につなげているか繰り返し説明されています。
https://cdn.softbank.jp/corp/set/data/irinfo/presentations/results/pdf/2019/softbank_presentation_2019_001.pdf
個人的にはARMがチップの情報を収集しエッジをAI化する戦略に興味を覚えます。これが既存および新規ユーザーにどうやって支持されていくのか、ARMのアップサイドを考える上で重要になりそうです。営業利益の1/3がファンド貢献分、そのうち2/3の1600億円がインドECフリップカートのウォルマートによる2兆円買収時の売却益だと。
アーム持ち株、スプリントの持ち株も含めて、それらの柔軟性も鑑みれば、名実ともに投資会社への衣替えが早速完了しつつある。
ここで注意が必要なのは、投資会社は事業会社と違ってPL評価にほとんど意味がないこと、むしろミスリードしがちな事です。特にビジョンファンドのようなファンドライフの長いVCファンドマネジメント会社は四半期という短期の業績判断は、無意味ではないが意味合いが事業会社だったころとの連続性はありません。批判的にソフトバンクは通信会社から投資会社になったという人もいるが、孫さんは利益を出すために短期的に売り抜けるようなことはせず、その事業に多くの資金や人員をつっこんだり、他の投資先の技術と組み合わせたりすることで、その事業を成長させて結果的に利益を得ているだけである。
ソフトバンクワールドで毎年孫さんの話を聞いているが、孫さんの頭の中にはひたすら持論の情報革命を起こし続けることしかなく、そのための最速の手段が通信事業を手掛けることから投資に変わっただけのことのように思う。