【シンガポール】フードパンダ、即配ブランドで取扱品拡充[サービス]

料理宅配サービスを手がけるドイツ系のフードパンダ・シンガポールは29日、食料品や日用品を短時間で配達するクイックコマース(即配)の自社ブランド「ブライト」で、取扱商品を拡充する新たな取り組みを開始した。国内で電子商取引(EC)の競争が激化する中、即配サービスの競争力を強化する事業戦略の一環となる。

ブライトで、肉類などの生鮮食品を扱う「ブライトファームズ」、加工食品などを届ける「ブライトヤムズ」、日用品を販売する「ブライトスポッツ」の3つのサブブランドを新設する。注文から配達までにかかる時間は30分以内とする。

フードパンダは2021年、既存の食材・日用品の宅配サービス「パンダマート」の中で、ブライト・ブランドの提供を開始。第1弾として、家庭からの需要が特に高い卵、ティッシュペーパー、水の3商品を即配サービスで届けている。

3商品はブランドへのこだわりが強い人が比較的少なく幅広い層に利用されていこともあり注文が盛況で、パンダマート内のブランド別の売り上げ首位を獲得。パンダマートでの注文の5割がブライト・ブランドの商品であることから今回、取扱商品の拡充を決めた。自社の配送拠点「ダークストア」に在庫を確保し、配達担当者がすぐに商品をピックアップして配達できる体制を整備している。

ライバル社の宅配大手グラブも幅広い食料品や日用品を扱う配達サービスを展開しているが、注文から配達前までにかかる時間は2時間以内となっている。フードパンダは配達時間の差別化で顧客獲得を狙う。

フードパンダはこのほか、スーパー大手のコールドストレージやジャイアントを展開する香港の小売り大手DFIリテール・グループなどとも提携し、食料品や日用品の配達サービスを提供している。

【29日SPH Media=NNA】

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