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「IoT自転車シェアサービス」という紹介のされ方が興味深い。いずれにせよ、モバイクの展開の速さは凄まじい。
こちらのサウスチャイナモーニングポスト(SCMP)の記事はよくまとまっています。
"China’s Mobike set to roll out bicycle sharing service in Japan"
https://newspicks.com/news/2326370
モバイクをはじめ、シンガポールのシェア自転車各サービスを私が乗り比べた体験記事はこちらです。
「シンガポールのシェア自転車を試す。地場vs中国勢の争いが幕開け」
https://newspicks.com/news/2236926
モバイクなど中国のサービスについては、壊れた自転車が山積みとか、マナーが悪くなっているという報道があり、それは確かに事実ではありますが、全体ではありません(チャイナバイアスをそこはかとなく感じる記事が多い)。先日行った北京で、私が行動した中関村や望京といった地域では、問題ないと感じる程度には整然として並べてありました。
中国のスタートアップはトライアンドエラーを超高速回転でやりますし、それができるのはアイディア段階で大きな資金を投資するエンジェル投資家の存在。すでに中国(の都市部)でモバイク等のサービスは、普及初期段階を過ぎ、色々と出てきた問題をどう修正していくか、という局面に入っています。
この手のサービスを理解するには、利用してみることが重要です。外から見ているだけでは分からないことが、肌感覚として理解できるようになります。日本だけでなく、中国やシンガポールなど各地で展開しているバージョンも体験すると、どういうものかより理解が深まります。
「シェアリングエコノミー」と言われるものは、英語の専門メディアでは、オンデマンドサービスなど細分化して呼ばれるようになっています。日本語メディアでは細分化した呼び方は浸透していないので、書き手が理解している場合でも、シェアリングと十把一絡げで止むをえず書いているのだと思います。モバイクは、レンタルサイクル進化版と考える方が妥当です。
Mobikeは中国でのビジネスモデルを持ち込まず、各国に合わせた展開をしているようです。事業内容が異なり、同列での比較は出来ませんが、日本市場に参入するには、Uberもこれくらいの慎重さが必要だったのかもしれません。
利用者や対象品のダイナミズム(移動性)を伴う形の「乗り捨て型シェアリングエコノミー」は、今回の自転車や自動車といった移動手段に限らず、他の分野でも広がっていく可能性があるように思います。
服飾の分野などで月額性の「掛け捨て型レンタル」という範型が拡がったように、「乗り捨て型」もひとつの類型として、「この次」があるように思えてなりません。
・Mobikeは現在、100都市で展開しており、ユーザー数は約1億人、1日の乗車回数は約2500万回に上る(ユーザーと乗車回数は、ほぼ中国)
・乗り捨て型とサイクルポート型の2つに分かれ、日本ではサイクルポート型でサービス開始
・日本人の自転車保有台数は7千万台超
▼なぜ北海道だったのか?
北海道は、日本の都道府県別にみた 自転車保有台数ランキングでは、ちょうど中間にあたる。マーケティング リサーチは中間をとるという基本スタンスからでしょうか。
http://todo-ran.com/t/kiji/11525
▼Uberとのアプローチの違い
行政を通して地方で実証実験ができるのは、日本では産業が形成されていない分野だから。Uberの場合は、初期段階で行政に働きかけても、既存のタクシー業界を保護するためにストップがかかっていたので、ある意味強引に進める必要があった。
▼今後の展開予測
サイクルポート型でサービスを進めるのであれば、コンビニをポートとして活用するのが一番手っ取り早そう。
ドコモの自転車シェアリングサービスはセブンイレブンと提携している。
今後、日本の民間と組んで事業展開という流れになる可能性はありそうです。
→いいですね。検討に時間をかけるよりまずやってみる。
ただ行政事業レビューをやって感じるのは、スタートしたものをいかに止められないか、です。トライ&エラーを進めるときは実験結果の結果と課題を数値面含め冷静に見極め退くこと判断も身軽にできるといいと思う。
まず札幌は高齢者も多く、自転車の保有はちょっとした買い物や学生の通勤など。シェアリングとは違う層。
何よりも札幌は4ヶ月は雪で自転車が使用されない時期があり、乗り捨てを前提に考えているのであれば、駅前や病院、住宅地に冬場に利用できない自転車が溢れます。福岡とは違うのです。
税金で自転車撤去するようなことだけはやめましょう。
中国では今はすでに放置自転車が社会問題化していることをお忘れなく。
税金の無駄使いです。そのお金があるのであれば、駅と病院を繋ぐマイクロバスなど高齢者対策に当てた方がよっぽど有効です。
こういう「特区」的な実証実験は都心と地方の双方で進めて欲しいなー。
渋谷区でもはよ!長谷部区長にとどけー!
個人的には札幌市のno mapsという取り組みの方に注目。
これまでチャレンジングな地方自治体というと福岡市を思い浮かべましたが、これからは札幌市も頑張るということでしょうか。これまで、札幌はあまりスタートアップ的な動きが活発ではなかったようにも感じてまして、どう動いていくか楽しみです。
(追記)
札幌におけるMobikeの利用シーンは、
1.札幌中心部のプチ移動
2.郊外と中心部をつなぐ通勤
3.郊外における日常的な移動
の3パターンが考えられます。
1は、札幌駅~大通り~すすきのが微妙に離れた距離感なのでニーズはありそうだけれども、駐輪場所を確保できるか。あの辺りのビルは建蔽率もいっぱいいっぱい使っていて、自転車が停められる空地が少ない印象があります。
2は、結構移動距離が長くなるのでどうか。
3は、現状ではクルマ社会のところをどうぶち壊すか。冬の移動を車に頼らざるを得ない土地柄なので、完全に自転車に切り替わることは難しいかもしれません。
となると、やはり狙うのは1で、駐輪場の確保をどれだけ工夫できるか、もしくは逆に乗り捨てでも気にならないような運用ルール、利便向上を目指すことになるでしょうか。