是枝裕和『万引き家族』に最高賞パルムドール!日本人21年ぶり
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是枝裕和監督『万引き家族』パルムドール受賞おめでとうございます。このカンヌでの栄冠は、是枝監督のこれまでの作品
『ワンダフルライフ』
『誰も知らない』
『歩いても 歩いても』
『そして父になる』
『海街diary』
『三度目の殺人』
をも明るく照らすことでしょう。そのことが何より嬉しいです。
私は、是枝さんがテレビマンユニオンのディレクターとして制作したテレビドキュメンタリーが好きでした。特に「記憶が失われた時…〜ある家族の2年半の記録〜」(1996年、NHK)に心を奪われました。
入院中に病院の栄養管理ミスが原因で、新しい記憶を積み重ねていくことができない “前向性健忘” になってしまったある男性の日常を追った作品です。1時間ほどしか記憶が保たれず、それ以前の記憶がリセットされてしまう恐怖の中で、メモを使いながら家族生活を送る人と、それを支える妻の静かな生活が描かれます。
そこには、是枝作品にある「理不尽な環境の享受」「それでも生きていく人の強さと優しさ」の原点があると感じます。
これを機に、是枝さんのドキュメンタリー作品にも再び出会いたいです。テレビドキュメンタリーで社会に切り込み、腕を鍛えてフィクションである映画の世界で開花させる。というのは20代の頃私が抱いていた仕事展開のイメージそのものでした。
是枝ディレクターと仕事しているスタッフも周辺にいましたし、TVディレクターから監督へとどんどん仕事を広げる是枝監督の成功を正直「苦々しく」w横目で見ていたこともありました。
しかし、世界でここまで活躍され、実際に作品も素晴らしいものがあり。弟子筋にあたる西川美和監督もすごい作品を連発しているのを見ると
私は別の道をいきながらですが改めて、自分の中にある「自分が見つけたすごい世界を表現へと昇華させて多くの人に『すごい』と心底思わせたい」
という下心がいまだ燻っているのを自覚しました。
煩悩ですね。鍛錬鍛錬。