五輪相「新国立 総工費の上限は２０００億円」　

なぜ、新国立競技場に対して多くの国民があんなに反対の意を唱え、怒りをあらわにしたのか？バカ高い建設費に対してなのはもちろんだが、その法外な建設費をあまり精査せず、あっさりと承認したその姿勢に対してだということを絶対に忘れないで欲しい。

金額自体も疑問がありますが、何より論点はイニシャルコストではなくトータルでペイできる事業計画かどうか。
これほどの一等地にコストセンターをつくるほど日本に余裕はない。利益をだして選手強化や子供達のスポーツ環境整備にまわすべき。

2500まで議論がいったので、それより少ない2000ならよいか、という思考パターンが見え見えでいけてない。歴代の建設費から見れば、1000でも破格。交渉戦略でいう「アナウンス効果」のように、最初にめちゃくちゃ高い価格を言っておくと、高くなりがち、というのと同じ
また、建設費だけでなく、運営費、収入を合計した事業全体としてどう赤字を減らすか(もちろん採算取れるのが一番ですが)が重要。どういう用途の市場をどれだけ取り込むかの戦略だし、維持費を抑えられるデザインという観点もちゃんと見てほしい
デザインが奇抜すぎて、作ったはよいが凄まじい維持費がかかってしまっている国際フォーラムの二の舞になるのは避けてほしいものです(ちなみに最強のバブルの象徴と言われる国際フォーラムでさえ、建設費1600億、維持費60億だそうです)

総工費にばかり注目が集まるが、完成後のランニングコストでどれだけ赤字を垂れ流さずに済むかという運用計画にも注目していきたい。