排泄予知ウェアラブル「D Free」 超音波で腸内を分析、子育てや介護を支援:妄想ウェアラブルの午後
“排泄予知ウェアラブル”として先日発表され、Web上で話題を呼んだ「D Free」。“Wi-Fiルーター”にも見えるスタイリッシュなデザインが特徴だが、その正体とは――。
連載:「妄想ウェアラブルの午後」とは
近年急速に普及し始めたウェアラブルデバイス。腕時計型やメガネ型などさまざまな種類が登場してきているが、それらが「人々の生活をどう変えるか」についてはまだまだ議論の余地が残されている。本連載では、製品のスペックや機能比較にとらわれず、ウェアラブルの正しい(?)未来を「妄想」することに全力を注ぐ。
D Freeは、ベンチャー企業「トリプル・ダブリュー・ジャパン」が専門家の協力を得て開発中のウェアラブルデバイスだ。特徴は、腹部に装着すると超音波で腸内の動きを分析し、「あと10分です」といったように排便までの時間をスマホ経由で知らせてくれること。
“D Free”とは、“Diaper Free”、すなわち“おむつからの解放”を意味しているという。5月を目途にクラウドファンディングサイトで予約を開始し、出荷は12月を予定している。現在はFacebookページ(こちら)などで製品に関する情報発信や意見交換などの交流を行っている。
今後D Freeが実用化されれば、病院や介護施設はもちろんのこと、一般家庭でも便利に使えるだろう。予期しないタイミングでの排泄リスクを避けられることで、恩恵を受ける人の数は計り知れない。将来的に赤ちゃんやペットなど、言葉での意思疎通が難しい相手にも対応することができれば、用途はさらに広がると考えられる。
本記事ではさらに一歩進んで、D Freeが社会に広く普及した近未来を妄想してみよう。
「トイレ休憩」を巡る情報戦
D Freeを着ければ、デート中も安心だ。万が一のときも、D Freeがトイレに行くべき時間を知らせてくれる。余計な心配をせず、おいしい料理を食べてゆっくりと会話を楽しむことで、恋人との仲が深まるかもしれない。
ビジネスの世界ではどうだろうか。「これから大事なプレゼンがあるのに、急におなかが……」そんなリスクを回避できるのはやはり心強い。一方で、「集中力が落ちてきたから、トイレでしばらくリフレッシュしてこよう」という、現在では当然のように行われていることが、もしかするとやりづらくなってしまうかもしれない。
ランチをともにした上司のスマホには、あなたが食べたメニューの消化時間が表示されているのだ。そして、「待ちたまえ。君のトイレット・ブレークはまだのはずだが?」とチクっと指摘され、席に戻される――なんてことにもなりかねない。仕方ないのでこちらも上司のトイレタイムをチェックし、彼が席を外している最中に別の場所で休憩する、といった高度な情報戦が繰り広げられるのである。
トイレ待ちの“長い行列”も心配なし?
ライブイベントやスポーツ観戦の会場はどう変わるだろう。現在では、休憩時間中はトイレ前に長蛇の列ができるのが一般的。一度並ぶとなかなか順番が回ってこないため、苦い経験をもつ方も多いだろう。もし、並んでいるときに我慢の限界に達したら――。そんなときは時間の進み方が通常の10倍くらいの長さに感じられるものだ。
近未来では、その心配はなさそうだ。トイレに並んでいる人は、専用のバンドを使ってスマホを腕に装着し、自らの“残り時間”を周りに公開する。もし、自分よりも余裕がない人が後ろに並んだときには、そっと順番を代わってあげよう。もし我慢の限界が近づけば、ボタンひとつで係員が飛んでくる。そして「あと30秒、緊急事態です! 道を空けてください!」と、列の一番前まで誘導してくれるのだ。
こうすれば、自然と譲り合いの精神が生まれる。たまに見かける“順番抜かし”によるトラブルも少なくなるだろう。D Freeのおかげで、世界から争いごとが減っていく――今日もどこかの家庭で、どこかのオフィスで、どこかのイベントホールで起こっているはずの小さな、しかし当人たちにとってはこの上なく重大な争いごとが。
恥じらいと引き換えに得るもの
最近続々と発売され、ブームになりつつあるウェアラブルデバイスは、“自らを高める”ことを目的とするものがほとんどだ。スポーツ時に身に着け、心拍数を測る。もしくは、消費カロリーを測る。こういった機能は、理想的な体型を手に入れるためや、運動能力を向上させるために存在する。日常的にスポーツをしない人々は、今のところこれらのデバイスを手に取る理由を見つけづらいかもしれない。
その一方で、D Freeは肩肘張らず、気楽に身に着けることができる。普段は恥ずかしくて口に出せない話もちょっとオープンになり、ときとしてクスッと笑える。おまけに譲り合いの精神が定着し、争いも減るときている。このデバイスが定着した未来はきっと、穏やかな幸せに包まれているだろう。
だが、“何かを得るためには、何かを失わねばならない”のは世の常だ。未来の人々は幸せを手に入れる代わりに、ほんの少しの恥じらいを捨てる必要があるのかもしれない。
関連記事
- 「Google Glass」――それはビッグブラザーか、ドラえもんか
スマートフォンでできることをハンズフリーで、声だけで行うことができるメガネ型ウェアラブルの代名詞「Google Glass」。もしGoogle Glassがスマホに置き換わったとき、社会はどのように変わってしまうのだろう? - ログバー「Ring」――“魔法社会”は今と案外変わらない?
“魔法のリング”――そう呼ばれてキックスターターで約9000万円を集めた「Ring」。スマートフォンや家電の操作を、ジェスチャーひとつで操作できる指輪型デバイスだ。すべてがジェスチャーだけで操作できるようになった未来に、“魔法使いの世界”は訪れるのだろうか? - “肉体というセンサー”をだます装置――「Oculus Rift」
ゴーグルをかけるだけで仮想世界を訪れることができる、仮想現実(VR)ヘッドセット「Oculus Rift」。このSFのような技術は、ただ単にエンターテインメントとして使われるのに留まらない。現実世界の常識をも変えてしまうパワーを持つのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
“世界一美しいザリガニ”を入手→開封して見ると…… 絶句を避けられない姿と異変に「びっくり」「草間彌生作のザリガニみたい」
-
どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
-
耐火金庫に“溶岩”を垂らしてみたら…… “衝撃の結果”に実験者も思わず「なんだって!!!」と驚愕【海外】
-
「泣きそうになった」 くせ毛に悩む中学生が“垢抜けイメチェン” 美容師のスゴ腕に「ここまでできるなんて」
-
「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
-
GW10日間、毎日人間の相手をして疲れ果てたワンコの表情に「爆笑」「まじで愛おしいww」 最終日の異変に4万いいね「蛭子さんみたい」
-
複数逮捕&服役の小向美奈子、“クスリ”に手を出した理由が壮絶すぎ……交際相手の暴力で逃亡も命の危機 「バレてバルコニー伝って入られて」
-
人の心ないんか……? ピーターラビットの「悲しすぎるガチャ」に反響続々 お父さんの“まさかの姿”がショッキング
-
生後3カ月の赤ちゃん、ママの全力「いないいないばぁっ!」に…… 予想外の反応に→ママ「もう謝るしかないです(泣笑)」
-
こ、これは……! 電子レンジで加熱した豆腐にネット民衝撃 「知らなかった」「えらいこっちゃ」と動揺走る
- JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
- 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
- 「ずっと小児」 グランスタ東京の“母の日広告”に賛否…… 運営会社が撤去「違和感覚える方もいた」
- 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
- 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
- 「車庫にランボルギーニがいて駐車できない」→見に行くと…… 「電車の中で絶対見ないほうがいい」衝撃の光景が195万表示!
- JR東日本、ネットバンクサービス「JRE BANK」を発表 JREポイントがたまるなどの特典も
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「900円は安過ぎる」 喫茶店でプリンアラモード購入→見本と違いすぎる“激盛り”に仰天 「逆写真詐欺」
- 森の中で発見された“謎の物体”が618万件表示 「何これ!」「暗号?呪物?」集まる推測や知見と“驚きの事実”
- 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
- 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評