【巨大銀行 vs スタートアップ】なぜAmazonやFBが金融界に生まれないのか?
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Fintech先進国のアメリカでスタートアップ企業が苦戦する要因の一つが、銀行免許獲得に係る様々なコスト。
決済に重きを置くのであればまだしも、信用リスクを収益化するモデルにおいては、信用創造の基礎をなす預金取扱が生命線を握る。
ポーランドのエスタブリッシュメント的な銀行のスピンオフであるmBankがFintechで圧倒的顧客支持を得たのも、こうした背景がある。タイトルの「なぜAmazonやFBが金融界に生まれないのか?」これ自体が誤りです。
原文はタイトルは「シリコンバレーはかつて銀行転覆を試みた、今や協業している」
https://www.nytimes.com/2017/02/22/business/dealbook/silicon-valley-tried-to-upend-banks-now-it-works-with-them.html?
と全然違います。
なぜ誤りか?
世界最大のフィンテック企業がアリペイであり、彼らと銀行との差がAmazonとウォルマート、FBと既存マスメディアとのそれと変わらないほど巨大化しているからです。
近々上場が目されていますが時価総額はゴールドマン超えし、6兆円程と目されています。
インドの電子マネープレイヤーも著しい成長をしており、あと数年で巨大化するでしょう。ゆえにその筆頭PayTMを孫さんが狙っているのも無理はありません。
一方で旧体制のほう、つまり世界で一番大きな銀行はどこか。
これも中国で、中国工商銀行。銀行としてはバンカメやJPモルガンより大きい。
ここの時価総額は20兆円強、アリペイの4倍くらい。これはすぐに抜くでしょう。
ではなぜ米国ではフィンテックは簡単でなかったか?
この記事が主張する規制のせいではありません。一言でいえば、もともと最も電子化が進んでいる産業だから、です。
そもそも貨幣とはミディアム(媒介)であり、データです。
支店間送金だってリアルな貨幣ではなくて電子データの受送信です。ネット史のはるか前からそうです。
クレジットカードもデビッドも無論そう。
更にネット史以降でも、最も進んだ産業は金融であり、具体的に言えばインターネットバンキングです。Eコマースよりもずっと大きい。
ところが新興国はマネーの電子化が先進国ほどには進んでなかった。クレジットカード普及は一桁%、銀行口座すら持っていない人のほうが持っている人より多かった。
ゆえにATMやクレカを飛ばして(Leapfrogと言います)フィンテックに直進する。
フィンテックはシリコンバレーより新興国、西洋よりアジア。世の中がそう気づき始めたのかもしれません。信頼できる銀行が存在していない途上国なら、スタートアップが活躍できる余地がある、という事なのでしょうね。
そこで成長して規模の利益を得られるようになってから、先進国に「逆上陸」してくれば、勝機があるかも。