【新】身近に潜む「サイコパス」。その正体と対処法とは
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
タイトルを見て興味を持ち、本稿を読みました。
おそらく専門的な知見に裏打ちされた解説なのだと思いますし、また為政者の施政方針に反対することや嫌悪感を持つこと自体は何ら問題はありません。
ただ、一般人が見て思わずギョッとするようなレッテルを、公人とはいえ会ったこともない人物に当てはめて解説するという行為は、たとえ耳目を引いて啓蒙するためであったとしても、私は抵抗感を覚えます。後ろのメリーさんみたいな感覚でサイコパスが語られる時代になりましたか(笑)
中野先生の「サイコパス」は拝読しましたが、冒頭には『本日の精神医学において世界標準とされるDSM5やICD10には「サイコパス」という診断名はなく、「反社会性パーソナリティー障害」の診断基準に該当する』と記載されていました。
人間は全てグラデーションですし、私は本人や社会にとってのメリットが相対的に大きい場合を除いてラベルを貼ることの意義を感じませんが(例えば差別助長など)、最悪ラベル貼りをするのならその定義と基準をしっかりと決めるべきだと思っています。
その点、サイコパスはまだそのあたりが明確ではなさそうですので、「サイコパスは○○」だとか「○○だとサイコパス」だとかの議論はやや早計かと。
純粋な脳科学の部分はいつも大変勉強させていただいております。
【反社会性パーソナリティー障害診断基準(DSM-5)】
A. 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以上で起こっており、以下のうち3つ(またはそれ以上)によって示される。
法にかなった行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為を繰り返し行うことで示される。
虚偽性、これは繰り返し嘘をつくこと、偽名を使うこと、または自分の利益や快楽のために人をだますことによって示される。
衝動性、または将来の計画を立てられないこと。
いらだたしさおよび攻撃性、これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
自分または他人の安全を考えない無謀さ。
一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
良心の呵責の欠如、これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人のものを盗んだりしたことに無関心であったり、これを正当化したりすることによって示される。
B. その人は少なくとも18歳以上である。
C. 15歳以前に発症した素行症の証拠がある。
D. 反社会的な行為が起こるのは、統合失調症や双極性障害の経過中のみではない。米国の精神科の診断基準書で有名なDSMⅤには現在議論されているサイコパスの項目はありません。
強いて言うならば反社会性パーソナリティ障害がそれにあたりますが、「社会適応したサイコパス」の記述はありません。
これはある意味当然で、精神科で扱う領域は「自分が困るか他人が困るか」。主にこの2つですので本人も周囲も困ってない人にも診断をつけてまわることはDSMⅤの管轄外ですので。
ご指摘のようにある程度先天的に共感力や罪悪感の欠如した脳の構造を持つ人がいるというのは今後も研究が進む分野かと思います。
一方その中で、反社会的行為を繰り返す一群と社会適応した一群の違いは何かという部分では、「育ち」が関係するかどうかなどはまだ議論があるようです。
よくサイコパスに適正がある職業としてCEOや政治家などがあげられますが、「時には非情になれる人」と、「いつも共感力と罪悪感が欠如した人」をあえて近づけて語ることで、「隣にひそむ・・」というイメージを喚起したのが現在のサイコパスブームの実態かと思います。
ただ、これ最終的には「程度問題」という話な気もします。