6キロ先へ情報を瞬時転送に成功 高速インターネットへ前進
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量子テレポーテーションの発表は日に日に増えてますね。生きてる間に実用化された世界を見られるでしょうか。それこそ電脳ダイブも遅延なくできるようになりますね。
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超高速トレードの世界では、通信速度の違いを逆手にとった後だしジャンケンで取引を行うため、他のトレーダーを出し抜くために専用の光回線を使い、ナノ秒(10億分の1秒)を稼ぐために、莫大なお金をかけてトンネルを掘った最短ルートを通し、回線が道路の下をまたぐ際にできるだけ最短距離を斜め横断させるなどという涙ぐましい努力をしているそうです(参考「フラッシュボーイズ」)。
もし量子テレポーテーション通信が実現してしまうと、文字どおり「瞬時」にシグナルを送信できるため、これまでのナノ秒の世界の努力は水泡に帰し、最初に量子通信でトレードを行ったものが大勝ちした後、皆に普及してその鞘も消えていくことになるでしょう。
アインシュタインらは、量子エンタングルメントを用いた光速を超える通信は、特殊相対論と矛盾し因果律を超えてしまう(ように見える)ことを「EPRパラドックス」として問題提起したが、後に量子力学的な波束の収束は光速を超えることを示す「ベルの不等式の破れ」が発表され(1964年)、それがアスペらによって実験的に証明された(1982年)ことにより、理論上量子テレポーテーションは可能ということがわかる。技術的には、1993年にベネットらによる量子テレポーテーション通信に関する最初の論文がでて、その後1997年のツァイリンガーらの実験で初めての成功し、後に様々な研究者によってより安定した量子テレポーテーション通信技術の開発競争が行われている。
ベルの不等式の破れは、量子力学の最も根幹にある原理です。これをマクロ世界で応用した技術が実用化されつつあると思うと、この100年の物理学の進歩に想いを馳せずにはいられません。
注)これは情報を伝える技術で、人間などのテレポーテーションはできません。それができるとしたら、情報のみから記憶も含めた人間を再構築する技術が実現した後ですね。やや強引かもしれないが、量子力学の専門知識を使わずに説明することを試みたい(※)。二つの空間的に離れたAさんとBさんを考えよう。さらに理解を簡単にするために、Aさんの身にαという出来事が起きると、Bさんにはβという出来事が必ず起きるというルールを課す(逆も成立するが今は考えない)。すると、Bさんがβを起こすためにはAさんがαを起こしたという情報をBさんが知る必要がある。すなわち、AさんとBさんの間で情報のやりとりが必要になる。この場合、AからBへの情報の伝播速度が光速を超えることはない。これは特殊相対論の絶対的な要請(厳密には指導原理)である。もし、αとβが同時に起こったとすれば、それはAからBへ超光速で物事が伝わったことに他ならないが、これは当然ながら特殊相対性理論と矛盾するのでありえない。
ここで、AさんとBさんの情報を両方もっているCさんがいると仮定しよう。Cさんからすれば、Aでαが起きたことを知っただけで、Bで必ずβが起きることが分かるのだ。そこにはAさんとBさんの間で情報のやりとりはない。Cさんの存在そのものをエンタングル状態と呼ぶ。量子テレポーテーションとは、AさんからBさんへと情報が直接テレポーテートしたのではなく、Aさんで起こった出来事をCさんが観測すれば、Bさんで起きた出来事が自動的に分かるという仕組みのことである。今回の実験はAさんとBさんが空間的に6キロ離れていても、この仕組みが成り立つこと示したにすぎない。
>大山さん
いつも言及ありがとうございます。早坂ではなく早崎です。良く間違われるのですが(笑)
(※)私の現時点での理解なので、量子エンタングルメントの専門的には間違っているかもしれないことは付記しておく。相変わらず早坂先生の説明がわかりやすいですね。
量子もつれと量子テレポーテーションについて、こんなにわかりやすい説明は見たことがないです。
量子もつれは時空を形成したもっとも根本的な原理だと推定されていますね。
量子テレポーテーションもそうですし、ホログラフィック原理だとか、量子デンスコーディングだとか突っ込んでいくと私の頭では全く理解不能な世界ですが、聞いているだけで、大昔のSF少年的にはワクワクします。
(追記)
早崎先生、大変失礼しました。
歩きスマホでコメントするとロクな事はありませんね。