夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…
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「人間関係を過度に重視する情緒主義や、強烈な使命感を抱く個人の突出を許容するシステムの存在が、失敗の主要な要因として指摘される」、「戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」。以上、『失敗の本質』からの引用です。
現場の奮闘には心底頭が下がる思いですが、構造的な失敗はオペレーションで解決しようがありません。こうした事例を繰り返さないためにも、情に流されず、自治体の存続の是非も含めた思い切った決断が必要ではないでしょうか。当事者に無理なのであれば、外からタオルを投げ込む必要もあるのではないかと。そうしないと、今の現役世代は子々孫々から恨まれ続けることになるでしょう。
過去の人口構造を前提にした地方自治のあり方は、兵站が完全に伸びきっています。夕張が財政破綻して260人いた職員が100人になったとき、いまのこの記事もそうだが、たいへんだ、たいへんだと騒ぐだけで、すぐどうするか、がなかった。そこで東京都の職員を2人派遣したら、それが呼び水となって他の自治体からの派遣が続いて当座の職員不足をしのいだ。東京都からは他にも短期派遣のグループもつくった。財政破綻とはどういうものか、東京都の職員の意識改革にもつながるからだ。
2人派遣した職員のうち鈴木君が残留し、市長になってくれた。そこで 東京都から課長級のベテランも送り込んだ。舛添時代に支援が途絶えた。小池知事になってから鈴木市長に会ってもらった。評論家的に言うよりすぐ何ができるかです。
鈴木市長は辛抱強く政府と交渉し、財政再建も新たなステージに入っています。人口減少社会では、夕張市のようなことがあちこちで発生するのではないか。起死回生の手を打とうとして失敗するとこうなってしまう。それでも、現状を維持できる可能性があると思うとギャンブルしてしまうのが、人間の特性。日本も国としてこういうことを挑んでいる。大学や企業も同じ。