「5次元ブラックホール」により、一般相対性理論は破綻するだろう
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みんな、気持ちはわかるが一旦落ち着こう。
この記事のタイトルは完全なる釣りだ。
【相対性理論の破綻】
まず、ニュートン理論にしろ、相対論にしろ
物理学の理論には適用範囲というものがある。
例えば、光速近いスピードで走るロケットの
運動は、ニュートン力学では説明できず、破綻
する。また、星のように強い重力を持つ天体の
周辺ではニュートン理論は破綻する。
ものすごくミクロな原子スケール以下の世界
は量子力学で説明できるが、一般相対性理論は
量子論との相性が悪くミクロスケールでは成り
立たない。また、特異点(ある物理量が無限大
となる点)では相対論は破綻する。
以上のことは、今回の研究によって明らかに
なったことではなく、昔からよく知られていた
ことなのだ。もう一度言おう。物理学の理論に
は適用範囲がある。まずは、それを理解して欲
しい。
【5次元】
5次元って!というのがフツーの反応だろう。
僕らが知覚できる世界は4(空間3+時間
1)次元である。だが、量子力学と重力理論
を融合しようと思うと、局所的にだが次元を
増やす必要がある。Dブレーンと呼ばれる概
念だ(#1)。ここでは、4次元よりも多い
次元は余剰次元と呼ばれる。だが、余剰次元
は、非常にミクロなスケールであり、我々の
世界からは直接観測できないことに注意して
おくべきだ。
【5次元ブラックホール?】
アインシュタインの一般相対性理論は
一言でいうと質量があると空間が曲がる、
である。イメージしづらいだろうが、
我々が普段感じている重力は空間の曲がり
からくるのだ。これを式で表したのが
アインシュタイン方程式であり、5次元に
拡張して解くと、ブラックリング解などが
出てくるのだ(#2)。
今回の研究は、このブラックリングは
実は不安定で、5次元の球になるか、
バラバラになる過程で裸の特異点を
あらわにする場合があると結んでいる
(#3)。その場合、そこでは相対性
理論は破綻するのは当然だ。なぜなら
ば、相対論の適用範囲外だからだ。
【参考文献】
#1 Dブレーン(橋本幸士著)
#2 http://arxiv.org/abs/0801.3471
#3 http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.116.071102Physical Review Lettersはガチすぎて、物理専攻の人でもかなり専門分野がかぶらないときちんと内容を理解するのは困難なレベルの研究が多いと思う。アブストラクトを読んでなんとなく分かった気になり、一つ目の式で躓き、参考文献を辿るとその文献の一つ目の式が分からず心が折れるという経験をした人も多いのではないでしょうか。
もっと体系化されたら、ブルーバックスとかで概要を理解してみたいなぁ。