日銀 景気判断に「拡大」の表現 約9年ぶりに
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注目のコメント
景気の事を考える上では、日銀の一言一句に過剰反応する必要はありませんが、市場参加者にとっては、それで市場が動くわけですから、重要な事です。
金融市場では、注目されるでしょう。株式投資などを行なっている人は、是非とも注目して下さい。
P.S.
景気を語るプロの中には、景気そのものを見て語っている人と、株や為替を語るために景気を語っている人がいるので、気をつけましょう。
後者は前者に比べ、金融政策に対する関心が非常に高いです。「多くの市場参加者が日銀の金融政策に関心を持っており、それで市場が動くのだから、自分も日銀の動向に注目しなければ市場の動きに付いて行けない」という事なのです。今回の展望レポートでは「2018 年度までの 期間を中心に、景気の拡大が続き、潜在成長率を上回る成長を維持する とみられる」、「2019 年度は、設備投資の循環的な減速に加え、消費税率引 き上げの影響もあって、成長ペースは鈍化するものの、景気拡大が続く と見込まれる」としていますが、2019年度については注釈付きで「消費税率については、2019 年 10 月に 10%に引き上げられる(軽減税率については、酒類と外食を除く飲食料品および新聞に適用される)ことを前提としている」としています。
消費税率引き上げの判断についてはあくまでも日銀ではなく政府が行うものですが、これを実施することを前提とした上でそれでもなお「景気拡大が続く」というのはやや楽観的すぎる見立てのように思います。
経済の上振れ・下振れ要因の第3に挙げられている「財政の中長期的な持続可能性」でも「財政再建の道筋に対する信認が高まり、 将来不安が軽減されれば、経済が上振れる可能性もある」としていますが、これが増税を後押しする意図をもって盛り込まれた文言であれば、むしろ先行きに対する懸念は増すばかりです。
「経済・物価情勢の展望(2017年4月)」(2017年4月27日、日本銀行)
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1704a.pdf拡大に転じつつあるということは、景気の水準が水面上に出つつあるということでしょう。すなわち、景気の方向が上向きだけではなく、水準が不況から好況に達しつつあるということです。