若者の唯一の既得権だった「新卒一括採用」のなくなる日
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別のpickにも同様の趣旨を書きましたが、新卒一括採用は、悪いことばかりではなく、職業スキルがない新卒学生が、既に実績を持つ中途採用者に比べて不利にならない、就職のため在学中インターンや職業訓練を受けてスキルを磨く必要がないため、勉学に集中できる、といったメリットも存在していた訳です。
日本の若年失業率が、西欧諸国と比べて極端に低いのは専ら新卒一括採用制度の賜物である事は否定できないと思います。
ただ新卒一括採用は、終身雇用制や年功制とセットの側面が大きく、それらが維持不能になった今、遅かれ早かれ崩れて行くのも確かです。
通年採用制により、優れた学生にはチャンスの時間的制約がなくなることで、選択の幅が大きく広がることになります。
しかし、普通にレジャーランド的学生生活を謳歌する学生は厳しい社会の現実に晒されることも間違いありません。
私自身は企業としての立場で言えば、通年採用派です。
しかし、それは社会的には手放しで喜んでいいことではなく、ただでさえ厳しい立場にいる若者たちの多くをさらに不安にさせることに繋がるのではないかと、同時に心配しています。
特に、元々連動している筈の年功制の廃止や雇用の流動化をしない状態で、新卒一括採用だけを廃止するのは、若者だけに負担を押し付けることになり、社会不安につながりかねないリスクがあるような気がします。NPではヤフーの新卒一括採用廃止は歓迎のコメントが多かったですが、今後広がっていくことを考えると、それほど手放しで喜べるものでもないと見ています。
一括採用が廃止されると学生の上位層と知名度ある企業は自由度が増すので、メリットが大きい。一方で学生の中間層から下位は、1年以上就職活動をする学生も増えるでしょうし、欧米と同様に若年層の失業率が高まる可能性もあります。中小企業は早めから内定に動いても、いつでも上位企業に持っていかれるリスクを負うので、採用コストは上がるのではないでしょうか。
今後の社会の流れは一括採用廃止の方向だと思いますが、そのメリット、デメリットは冷静に見ておく必要があると考えます。みんな3月に学校を卒業するので、一斉に4月に入社するのは、受け入れ側の教育訓練を一緒にできる観点からもいいと思います。ただ、就活解禁制度は、全ての企業が守っていいるわけでもなく、また一旦就職しても転職する人も多い昨今、いい加減にやめた方がいいと思います。